農園の今。
私はいま。 クワの持ち方から農園作業を教わって、
1年半が経つ。
毎朝、シェアメイトと意見を交わしながら、
その日の作業や流れを決める。
お天気の状況に左右されることが多い仕事なので、
その日その日にタイミングを取るのが日課だ。
今日は朝から濃霧と雨。
まるで龍が降りて来てるのを知らせるような雷。
満月に植え込みをしたアサツキの定植には、ありがたい雨の恵み。
このアサツキの株は、
通っている温泉の集落に住む方にいただいたものだ。
思えば、農業に興味を持ちはじめた時、自宅のマンションで栽培してみたのもアサツキだった。
本来は栽培するものというより、野草のアサツキ。
草刈りをしていくうちに、生態系が変わって行く農園の様子をみながら、
さまざまな野草たちに出逢った。
ひとつひとつの野草には名前がある。
できれば全員の名前を覚えたいところだけど、
セイの強い、ワサワサ主張して、
訴えかけるかのごとくアピールの強い子から
その特徴、特性などを把握しながら、
付き合って行こうというパートナーシップがはじまる。
そんな中で、農園内にアサツキは、どこにも見当たらなかった。
必要なものは、必要なタイミングで、
必ず手に入るようなので、
手に入らない場合は、私に今は不必要なものと、
考える習慣がついてしまっているので、執着はしていなかった。
いつもの温泉は、その集落に住む、ほぼ全員が家族という
町営経営されている小さな秘湯だ。
お不動産を祀り、源泉掛け流し。
温めても、冷ましてもいない源泉は、
ぬるめの湯で、羊水に浸ってるようだという人もいる。
ゆっくりと芯から治癒して行く感覚を覚えるのも、
化粧水に浸っているかのように肌がすべすべになるのも、
目を洗うと、とても光って見えて、目の筋肉がゆるむのも、
湯治が素直に体感できる温泉。
まさに弱アルカリ単純泉の源泉掛け流しパワーの賜物。
そのありがたい場所で、
満月の前々日にいただくというタイミングで、
アサツキとの付き合いが始まった。
2週間くらいまえに、今度置いておくね。と
言ってもらったものだった。
どんどん増えて行くそうなので、その成長が楽しみ。
晴耕雨読、ならぬ、晴耕雨書。
フラットな日。
気分も、良くもなく悪くもなく。
ここが一番落ち着く。